診察の相談でメジャーなものに、口の臭いの相談があります。
「この子の口が臭いんです!」と言われることがありますが、獣医師からするとほとんど問題がないことも多いです。
我々からすると、病的な時に嗅ぐ口臭はかなり酷いので、少しの臭いではあまり気にならないということもあるかもしれません。
犬猫でも3歳を過ぎるころには過半数以上が多かれ少なかれ歯周病になっているといわれています。
口腔環境の差があるので人とは違い虫歯にはなりにくいですが、一方で、歯石はかなり溜まります。
歯石が溜まると歯周病になり、最終的に抜歯が必要になります。
当院での歯科処置では、一気に30本近く抜歯したケースもあります。
獣医療の歯科処置はほとんどの場合麻酔が必要なので、人と異なり一気に進めることが多いのです。
大型犬は、豊富な唾液と多量の飲水により歯石が付着しにくいですが、小型犬は、飲水量も唾液量も少ないので酷い歯石になりやすい傾向があります。
なので、歯磨きを頑張りましょうと指示をします。
ですが、なかなか歯磨きをするのも面倒な場合があるので、飲み水に混ぜるものや歯磨きペーストなど各種置いてあります。
気になる方はご相談ください。
なお、牛の蹄などがガム代わりに売っており、それが大変好きな子もいますが、あれは非常に硬いので歯自体が割れることを多数経験しています。
硬い牛皮のガム然りですが、硬すぎるものは歯が割れます。
割れた歯は人と同様にレジンなどで治すこともできますが、顎の力が強いため、再度割れてしまうこともあります。
なので、硬すぎるものは歯が割れたり摩耗したりするリスクがあるということを覚えておいてください。
過去には、指に巻き付けて歯を磨くガーゼタイプの物を使っているときに、ガーゼをそのまま飲み込まれたというケースもあります。
お気を付けください。
歯ブラシのおススメを聞かれますが、犬用って高いんですよね。
なので、小型犬であれば硬さもサイズも豊富で安いですから小児用を勧めてます。
そういったもので、慣れさせてから犬用にするのもありだと思います。
まずは歯を磨く練習をしないと、高いものを買っても無駄になってしまいますから。
最近は口臭をチェックする検査用紙もありますので、ご希望の方はご相談ください。