薬剤感受性試験というものがあります。
過去のブログでも書きましたが、細菌を培地(細菌を繁殖させるためのもの)に塗り、抗生剤を含んだ紙を置き、特定の条件で発育させます。
見えづらいですが、この写真が感受性試験の結果です。
白い紙の周りに透明な円が見えると思います。
この透明な円を阻止円といい、抗生剤が効く場合は阻止円が出来ます。
それぞれの抗生剤で、有効無効の判定する阻止円の大きさには違いがあります。
なので、小さいから効かないというわけではありません。
単純な感染症の場合は感受性試験を行わず抗生剤を処方しますが、原因不明な膿汁や難治性の皮膚炎や膀胱炎などで利用します。
この培地にも色々種類があります。
特定の菌をターゲットにしたものや、写真のように血液が入っていて栄養分豊富で色々な菌を発育させるためのものや、液体のものまであります。
細菌を発育させる条件も各種あり、嫌気性、好気性、CO2下などいろいろありますが、当院では嫌気性と好気性が出来ます。
培養しても菌が発育しないこともありますが、その場合、菌がいないか発育が難しいことがあります。
ディスク試験を行う利点は、その結果を見て効果の高い抗生剤が決められることです。
欠点としては、培養結果が出るまで少し時間を頂くので、抗生剤の投与が遅れます。
酷い感染症の場合、高用量で抗生剤を使い一気に細菌を叩いたり、何度も飲んでもらい抗生剤の濃度を保ってもらったりします。
中途半端に行うと耐性菌が生じます。
なので、感染症の場合、出された薬は必ず飲みきってください。