奇形腫。

さて、題名にあるように奇形腫のお話です。

今回はちょっぴりグロテスクな写真が含まれます。

といっても、白いソーセージの中に白い毛が詰まっているような物と想像していただければ。

 

 

先日、若齢のチワワの子宮蓄膿症の手術をしたところ、左の卵巣が巨大化し硬かったので術後に割断してみました。

メインは子宮蓄膿症だったため腫瘍化しているであろう卵巣は、割断面を見て問題があれば病理検査に送ろうと思いました。

卵巣をハサミでちょきん!

すると、中から大量の白い毛が出てきたのです。

予想外のことに頭に浮かぶ?マーク。

顕微鏡で確認するとしっかりとした毛根。

初めて見ました。

奇形腫です。

人では若い女性の卵巣腫瘍の中で最も多いそうですが、犬猫の多くは早目に避妊手術で卵巣をとってしまうので中々お目にかかる事がありません。

本当は病理検査に送って確定診断するべきなのでしょうけど保存しました。

これだけ綺麗なものは次にお目にかかることは難しい気がします。

奇形腫とは想像していなかったので、卵巣を切って毛が出てきた時に、卵巣を切る前にもっと写真を撮っておけばとか、横に切るんじゃなくて縦に切ればよかったとか、子宮蓄膿症の診断で子宮だけじゃなく卵巣も超音波を当てておけばよかったなど思いました。

子宮蓄膿症は状態次第では死亡率の高い病気ですが元気に帰ってくれましたし、レアなものまで見られ勉強になりました。

卵巣の写真は下に貼り付けますので、ご興味のある方はご覧になってください。